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【導入事例ブログ】融雪用「ロードヒーティング」をスマホアプリで遠隔操作|北海道札幌市

ロードヒーティング
公開日:2022/06/01

北海道をはじめとする降雪地に設置される「ロードヒーティング」。今回、私にとってはこの未知の装置を「スマホで遠隔操作したい。」というご依頼にチャレンジする機会を頂きました。
結論を言いますと、当社のスマートコントローラーが、「ロードヒーティング遠隔用の基幹装置」の役割を果たすことに成功!
この事例は、今後の当社の可能性を大きく広げるものとなりました。

ぜひ、多くの方に紹介したいと思いますので、最後までご覧頂ければ幸いです。

ロードヒーティングとは?

それは「ロードヒーティングをスマートフォンで遠隔操作したい」という1本の電話から始まりました。
「…ロードヒーティング??」

お恥ずかしながら、私は雪とは無縁のエリアの出身ということもあり、この時に初めて「ロードヒーティング」という言葉を聞いたほど、ロードヒーティングとは無縁の生活を送っていました。
簡単にご紹介しますと、ロードヒーティングとは、まさに写真のとおり!
スイッチが入ると、道路下に敷かれたパイプに温水が流れ、雪を溶かす非常に便利な装置です。

ロードヒーティングとは

↑日建ハウジングのHP抜粋

北海道では、個人宅や店舗、病院などの玄関前、勾配のある道路や急カーブなどにも設置されているようです。

【驚愕】「床暖房」と「ロードヒーティング」の違い

ロードヒーティングが一体どういった物かは、概ね理解できました。問題は「どう制御するか」
当社の看板商品、コマンドフュージョンは、スマホで「リレー」を開閉させることは得意。うまく使いこなせば、スマホでも動作するはず。
不安抱きながらも本依頼にチャレンジ!!

床暖房の場合(チャイルドロック解除中)

↓電源を入れさえすれば必ず「ON」になります。

床暖房

スマホで床暖房を制御させた経験は何度もあるので、今回のロードヒーティングにおいても、その制御方式は、「床暖房と同じ仕組みだろう」ぐらい、安易に考えていました。
しかし、そこには大きな落とし穴がありました。

ロードヒーティングだと

ロードヒーティングの場合、電源を入れても一定以上の条件が揃わないと、手動ですら電源を入れることができないようになっています。この条件を判別するのが、積雪センサー地熱センサー
(下の図を理解するのに少し時間がかかりました。)

ロードヒーティングがONになる条件

もちろん、これらの条件設定を無効にし、「手動優先」で作動させることは可能です。
しかし、基本的にはどの家庭も条件設定を「有効」にしているそうです。
そこには、設定を無効にし「ON」にしたはいいが「OFF」にするのを忘れてしまい、「恐ろしい電気料金を見て、初めて作動させ続けていたことに気づく」というヒューマンエラーを防止するための工夫が、メーカーによって凝らされているのです。


今回のポイントはここなんです!
床暖房の場合、もし誤って「ON」にしたとしても、しばらくすると足元がポカポカするので、しばらくそこに居れば、「あれ、ひょっとして?」と、誰でも気づきます。
しかし、ロードヒーティングはアスファルト内に埋設されているため、スイッチを見る以外、人間の五感でON/OFFを知ることは不可能です。

ロードヒーティングの電源の状態

今、作動条件は揃っているのかいないのか、実際に作動しているのかしていないのか、ロードヒーティングという装置を上手くコントロールしきれないもどかしさ…これがロードヒーティングの大きな悩み。
当社ではこの問題を、スマホのアイコンを瞬時に変えることにより解決。後述の動画では、是非そこを意識してご覧頂ければ幸いです。

本システムの動作テスト(当社事務所にて)

前置きが長くなりましたが、いよいよ本システムについてご紹介します。

ロードヒーティングの紹介

ロードヒーティングのコントローラーには、お客様指定で下記の大成電気様「スノーマック / SS-3001」を採用。

スノーマック

ロードヒーティングの多くは、「積雪センサーが雪を感知したらONになる」という、自動運転(ON/OFF)の機能を持っています。スノーマックにも例外なくその機能が搭載されています。
しかし、お客様のご要望は「自動運転はせず、スマホのみでの操作!」

リレーコントローラーには「DIN-RY5-N」

当社のコントローラーには、コマンドフュージョンのDIN-RY5-Nを採用 (5ポートのリレーと、2ポートの接点感知を搭載)
CF Miniと迷ったのですが、DIN-RY5-Nは物理ボタンがついているので、現場での効率を考えてこっちにしました。

DIN-RY5-N
DIN-RY5-N(物理ボタンがあるのが特徴)

北海道から現物が到着・・・

待つこと1週間、ロードヒーティングの実機が到着。恐る恐る開梱。 ロードヒーティングのコントローラーと・・・ちゃんと結線図が入っているではないか! この図のとおり接続すると・・・、「カチャン!!」見事にマグネットが短絡。 「分かった。これで電気を流すのか!これはできる!!」不安が確信に変わりました。

↓それではテストの様子の動画をご覧ください。

「スノーマック」と当社のスマートコントローラーの相性がこれほどまでに良いとは、私自身も予期しておりませんでした。
この時撮影したのが上の動画です。返却期限ギリギリに撮影。あとは本番を待つのみ。^_^

現場設置後の動画

日程が決まり、いよいよお客様宅へ設置すべく、いざ北海道へ出陣!!
千歳空港からカーナビをセット。現地に到着すると、「おー、あるある。」社内でテストした実機が、そのまま軒下に装着されていました。

ロードヒーティング2

何も電話がなかったので、「スマホを使わない当たり前の操作ではうまく動作したのかな??」と思いつつ盤のフタを開ける。スマホ以外の動作はOKのようだ。
あとは電源など実機と繋いだら、LAN BridgeのIPアドレスとLOSの初期設定をして完了。

作業時間は1時間程度。心配していた「地熱センサー優先の運転」もバッチリ。良かった、良かった!!
急いで動画を撮影!!

既存のインターネット回線で遠隔操作OK!!

当社のシステムが採用された理由。それは、遠隔操作において、「固定IP」、「専用モバイルルーター」、いずれも使用しないということ。
分かる人には分かると思いますが、遠隔地からリレー制御の命令を届ける際、大抵「ポート転送」という設定変更を、ルーター又はファイヤーウォールに対して行います。
当社の看板商品の1つである、「LOS」は、アプリiViewer4からの命令を、この「ポート転送」を使わずに、遠隔地からコマンドフュージョンに届けてくれる、凄い製品。
(↓下記は実際の現場の写真)
LOS

VPNも使わないので、お客様にとっては、シームレスな操作が実現できます。
(↓下記は照明を操作した時のイメージ図)

LOSを使えば、既存のインターネットでOK!!
(>>詳細はLOSの専用ページをごhttps://tech.greenworksjp.com/los/覧ください。)

後日アプリ画面をブラッシュアップ

動画からお気づきかと思いますが、ロードヒーティングを操作した時、ON/OFFどっちに切り替わったかは、オレンジの丸いアイコンで知ることができます。
ただ、これだけだと、白(運転停止中)の場合、今の温度が、地熱センサーの閾(しきい)温度よりも高いから「OFF」なのか、それともDIN-RY5-Nが運転命令を送っていないから「OFF」なのか、どちらか分かりません。
これを解消するために、後日DIN-RY5-Nの状態を示すアイコンを設けました。

ロードヒーティング・操作画面

ちょっとした工夫ですが、お客様にとっては、ありがたい機能なはずです。
ちなみにですが、操作画面の変更はクラウドを介して行うことができます。

(詳しくはコチラ)

導入時のフォトギャラリー

最後に

今回は、何もかもが“初めて”の連続!
ましてや、大阪出身の私にとっては、「ロードヒーティング」は未知の装置。
導入実現にあたって「弘前ハウジングさま」はじめ、関係者の皆様へ心から感謝いたします。

ロードヒーティングメーカー様へ!!

当社のコントローラーを使って御社の製品を制御してみませんか?

今回、皆様にお伝えしたいのは、
「御社のロードヒーティングも、スマホで遠隔操作できる潜在能力を十分に持っている。ということです。
HPにあるとおり、当社は最近のIoTブームに便乗して登場した会社ではありません。
私自身個人においては、弱電工事会社出身。スマホで「リレー」を制御する技術においては、10年以上のキャリアがございます。

小さい会社ながら、これまで培ってきた技術と実績で、他社では困難だったIoTを次々と実現してきました。

御社の製品の「仕様」に合ったコントローラーを選定します

本ブログで使われた大成電気社様の本体は、リレー制御がメインでしたので、前述にあったDIN-RY5-Nを採用しました。
御社の製品が、それ以外のインターフェイスで動くものであれば、それに合わせた当社のコントローラーを選定致します。
RS-232C, RS-485など、自由自在!!

御社のデモ機をテスト致します!!

もしも当社とのコラボにご興味がありましたら、是非御社のデモ機をご送付ください。動作確認を承らせて頂きます。
その他、「こんなことって可能かな?」そう思われた際には、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
音声で操作したり、バーコードで操作するなど、アイデア次第でまだまだ予期せぬ使い方があるはず!
御社の技術を最大限に引き出すお手伝いをさせてください。