このブログは電気機器をTCP通信やシリアルで制御する技術者向けと内容となっております。
かなりマニアックです。
具体的には、「デジタルサイネージ」「オーディオ業界」といったような、AV機器或いは照明制御を扱うエンジニアには是非ご覧頂きたいです。
【結論】
CommandFusion社のLAN Bridge(ランブリッジ)というコントローラーを介すことで、TCPテキストをシリアルやUDPにリアルタイムで転送したり分配することが可能です。
ある程度リテラシーのある技術者では、ここを飛ばして少しスライドするとYoutube動画がありますので、それをご覧ください。きっと「これを探してた!」っと思うも中にはいるでしょう。
LAN Bridgeとは?
ここは本題じゃないので、さらっと紹介します。LAN Bridgeは当社の看板商品。
スマートフォンを使って電気機器を制御する場合、実質アイテムとなるからです。
このブログでは、そのLAN Bridgeの知られざる機能をご紹介致します。
↑スマホの「アタマ」になるから、LAN Bridgeは当社の看板商品の1つ。
1.TCP(サーバー)~シリアルで双方向転送
下記がLAN Bridgeの初期設定。
・Slot11→iViewer4用なので割愛します。
・Slot12→「サーバー」になっていて、「0.0.0.0」更に「ポートが10208」
(この0.0.0.0は「どのクライアントからも接続してもいいですよ」を意味)
・更にSlot Bridgingを見ると、その12は「COM」が選ばれています。
最初これを見たとき「なんじゃこれ?」と思いました。皆さんもきっとそうでしょう。
まずはこの初期設定のSLOT12についての説明から行います。
1-1) TCP(サーバー)で受けてシリアルで転送
上の設定は、LAN BridgeのCOMポート(RS-232C)とTCPをブリッジする設定です。
↓具体的にはTCPで受けた文字を、シリアルテキストに変換するのに使います。
(太いトンネルのような矢印は接続の向き)
1-2) シリアルで受けた文字をTCPクライアントに転送
同じ設定で、LAN BridgeのCOMポートで受けたテキストは、TCPでクライアント側に転送されます。
↓下記のようなイメージです。(太いトンネル矢印は接続の向き)
↓上の図で複数TCP Clientが複数になった時の実機を使った実験動画です
2.シリアルで受けたテキストをTCPサーバーに転送
これはよく使います。
当社では電池レスリモコンの受信機が発信するシリアルテキストを、TCPサーバーに転送するのによく使います。
↓設定方法は以下です
【このやり方の導入事例】
①:「電池レスリモコンで異常通知|コマツカミンズエンジン小山工場様(栃木県小山市)」
②:エコーライツ
③:中之島美術館のチケット認証システム
などに利用されております。
【重要!!】
技術者の中でも「文字を受ける方がサーバー」と勘違いしているが、かなりいます。
(私の周りだけでしょうか?)
正しくは、「接続される方がサーバーで、接続しに行く方がクライアント」です。
TCPソケットにおいては、必ずこのことを意識して構築してください。
ちょっと頭が混乱してきたでしょうか?途中休憩しながらご覧ください。
3.TCP→UDPに転送(変換)
TCPで受けたテキストを別のUDPに転送することも可能です。
Bright Signなどのサイネージ機器やTASCAMのレコーダーといった、業務用の「映像・音響機器」で非常によく使われます。(太いトンネル矢印は接続の向き)
↓この場合以下の設定になります。Slot13にサーバーとなるIPアドレスを入力します。
そしてSlot12をSlot13にBridgeします。
この方法は、「IFTTTを使って道の駅のBGMを再生|南房総市様(千葉県南房総市)」で採用されました。
Linked Boxから配信されたTCPテキストを使ってBright Signを操作するのに使われています。
4. TCPクライアント→TCPクライアントに転送
「TCPクライアントから文字を送信したい!でも送信先もクライアント!クライアント同士で接続できない。。。(泣)」
こんな難題もLAN Bridgeで簡単に解決できます。(太いトンネル矢印は接続の向き)
↓この時の設定が下記です。
LAN Bridgeは10208(黄色)で受けて、10209(緑)でブリッジします。
↓ちなみに双方からテキストを送信する場合は、双方をブリッジしてやります。
5. TCPテキストを分配!
つまり4と同じ設定で、TCP Clientから発信されたテキストを、複数のTCP Clientに分配することができます。まさに使い方はいろいろ!!(太いトンネル矢印は接続の向き)
まとめ
LAN Bridgeであらゆるテキストを転送、分配する方法をご紹介致しました。
前述のとおり、大企業の基幹システムや公的機関にも利用されております。
当社でも思いもつかない利用方法があるかも知れません。