株式会社小松製作所のグループ企業『コマツカミンズエンジン株式会社 小山工場(栃木県)』で、当社の電池レスリモコンを使用した通知システムが採用されました。
システムの概要
製造ラインのオペレーターが「部品不良」や「ベルトコンベアーの空転」などの異常を、担当者に簡単・迅速・正確に通達することを目的としたシステムです。

各ラインには『電池レスリモコン(5ボタンタイプ)』が配置されています。オペレーターがボタンを押すだけで、ボタンごとに設定された定型文がMicrosoft Teamsに自動送信されます。
システムの流れ:
- 電池レスリモコンの信号はLAN Bridgeを経由し、専用管理サーバーに送信されます。
- サーバーからTeamsメッセージが担当者に配信されます。

お問い合わせのきっかけ
ご連絡を頂いたのは、同社の安全管理担当者のS様。
たまたま当社の下記のインスタグラムが目に留まり「これはうちの会社でも使える!」と閃いたとのこと。
工場内での課題と解決
問題点:
これまでの通達方法は電話や非常停止ボタンに限られ、以下の課題がありました:
- オペレーターが報告を躊躇する
- 非常停止ボタンを押す心理的ハードルが高い
- 報告の手間がかかる

連絡する敷居を低くしたい
S氏が行ったヒヤリングでは、ラインのオペレーターにとって電話をかけたり非常ボタンを押すことは、S氏が想像していたよりも敷居が高いことが分かりました。

↑「異常報告の敷居を低くしたい。」そんな思いが以前からあったS氏
解決策
電池レスリモコンを活用することで、ワンプッシュで簡単に担当者へ異常を通知可能に。これにより、報告の敷居を大幅に下げることができました。
電池レスリモコンでインシデントを通知
本システムの中心となる装置、それが電池レスリモコンです。
押すだけで、予め割り当てられた5種類の定型文を送信できます。メッセージの設定はCSV形式で簡単に変更可能です。

送信メッセージの例
- ○番ラインにて欠品が発生!
- ○番ラインにフォローお願いします!。
- ○番ラインにチョコが停が発生!
- ○番にて欠品が発生しています。
押すだけで定型文が送信されるので、電話や非常停止ボタンよりも躊躇することなく担当者に報告できます。その設定方法は簡単。CSV形式で設定できます。
電池レスリモコンの仕組みとメリット
リモコン内部には電池の代わりにコイルが組み込まれており、押した際の力で発電して電波を発信する仕組みです。この技術は、トイレのウォシュレットやファミレスの呼び出しボタンなどにも採用されています。

電池レスリモコンのメリット
- 電池切れの心配がない
- 電池交換の手間が不要
- 廃棄電池の処分が不要
- 液漏れのリスクがない
制御盤
下の写真は本システムの心臓部。
電池レスリモコンから発信された電波を管理サーバーに転送します。

コマツの厳しいIT要件をクリア
詳細を記すことはできませんが、コマツIT担当者と何度も打ち合わせを重ね、同社の厳しいIT環境の要件をクリア致しました。

電池レスリモコンを押すと
1. Teamsで送信
電池レスリモコンを押すと、担当者にTeamsでメッセージが送信されます。
2. エクセルシートに打刻
SharePoint上のExcelに、通知内容や対応履歴が記録されます。

3. マップデザインで表示
アプリ「iViewer4」を使用し、工場内のラインステータスを一目で確認可能にしました。

まとめ
本システムは、コマツカミンズエンジン社様(小山工場)に以下のメリットをもたらしました。
コマツカミンズエンジン社様への成果
- ワンプッシュで担当者にインシデントを通知
- Teams、Excel、マップ画面の3つの手段で状況確認が可能
- 履歴がExcelに自動で記録されるため、追跡が容易
- 通知メッセージのカスタマイズがCSV形式で簡単に実現

オペレーターの報告ハードルが大幅に低下すると同時に、工場内の情報共有レベルが向上しました。
本導入事例の関連リンク
・本件の導入事例ページ
・LAN Bridge
・iViewer4
・株式会社グリーンワークスの公式インスタグラム
・電池レスリモコン|株式会社エコー総合企画 (石川県)