北海道をはじめとする降雪地に設置される「ロードヒーティング」。今回、私にとってはこの未知の装置を「スマホで遠隔操作したい。」というご依頼にチャレンジする機会を頂きました。
ロードヒーティングとは?
それは「ロードヒーティングをスマートフォンで遠隔操作したい」という1本の電話から始まりました。
「…ロードヒーティング??」
お恥ずかしながら、私は雪とは無縁のエリアの出身ということもあり、この時に初めて「ロードヒーティング」という言葉を聞いたほど、ロードヒーティングとは無縁の生活を送っていました。
簡単にご紹介しますと、ロードヒーティングとは、まさに写真のとおり!
スイッチが入ると、道路下に敷かれたパイプに温水が流れ、雪を溶かす非常に便利な装置です。
↑日建ハウジングのHP抜粋
北海道では、個人宅や店舗、病院などの玄関前、勾配のある道路や急カーブなどにも設置されているようです。
【驚愕】「床暖房」と「ロードヒーティング」の違い
ロードヒーティングが一体どういった物かは、概ね理解できました。問題は「どう制御するか」。
当社の看板商品、コマンドフュージョンは、スマホで「リレー」を開閉させることは得意。うまく使いこなせば、スマホでも動作するはず。
不安抱きながらも本依頼にチャレンジ!!
床暖房の場合(チャイルドロック解除中)
↓電源を入れさえすれば必ず「ON」になります。
スマホで床暖房を制御させた経験は何度もあるので、今回のロードヒーティングにおいても、その制御方式は、「床暖房と同じ仕組みだろう」ぐらい、安易に考えていました。
しかし、そこには大きな落とし穴がありました。
ロードヒーティングだと
ロードヒーティングの場合、電源を入れても一定以上の条件が揃わないと、手動ですら電源を入れることができないようになっています。この条件を判別するのが、積雪センサーや地熱センサー。
(下の図を理解するのに少し時間がかかりました。)
もちろん、これらの条件設定を無効にし、「手動優先」で作動させることは可能です。
しかし、基本的にはどの家庭も条件設定を「有効」にしているそうです。
そこには、設定を無効にし「ON」にしたはいいが「OFF」にするのを忘れてしまい、「恐ろしい電気料金を見て、初めて作動させ続けていたことに気づく」というヒューマンエラーを防止するための工夫が、メーカーによって凝らされているのです。
今回のポイントはここなんです!
床暖房の場合、もし誤って「ON」にしたとしても、しばらくすると足元がポカポカするので、しばらくそこに居れば、「あれ、ひょっとして?」と、誰でも気づきます。
しかし、ロードヒーティングはアスファルト内に埋設されているため、スイッチを見る以外、人間の五感でON/OFFを知ることは不可能です。
今、作動条件は揃っているのかいないのか、実際に作動しているのかしていないのか、ロードヒーティングという装置を上手くコントロールしきれないもどかしさ…これがロードヒーティングの大きな悩み。
当社ではこの問題を、スマホのアイコンを瞬時に変えることにより解決。後述の動画では、是非そこを意識してご覧頂ければ幸いです。
本システムの動作テスト(当社事務所にて)
前置きが長くなりましたが、いよいよ本システムについてご紹介します。
ロードヒーティングの紹介
ロードヒーティングのコントローラーには、お客様指定で下記の大成電気様「スノーマック / SS-3001」を採用。
ロードヒーティングの多くは、「積雪センサーが雪を感知したらONになる」という、自動運転(ON/OFF)の機能を持っています。スノーマックにも例外なくその機能が搭載されています。
しかし、お客様のご要望は「自動運転はせず、スマホのみでの操作!」
リレーコントローラーには「DIN-RY5-N」
当社のコントローラーには、コマンドフュージョンのDIN-RY5-Nを採用 (5ポートのリレーと、2ポートの接点感知を搭載)
CF Miniと迷ったのですが、DIN-RY5-Nは物理ボタンがついているので、現場での効率を考えてこっちにしました。
北海道から現物が到着・・・
待つこと1週間、ロードヒーティングの実機が到着。恐る恐る開梱。 ロードヒーティングのコントローラーと・・・ちゃんと結線図が入っているではないか! この図のとおり接続すると・・・、「カチャン!!」見事にマグネットが短絡。 「分かった。これで電気を流すのか!これはできる!!」不安が確信に変わりました。↓それではテストの様子の動画をご覧ください。
「スノーマック」と当社のスマートコントローラーの相性がこれほどまでに良いとは、私自身も予期しておりませんでした。
この時撮影したのが上の動画です。返却期限ギリギリに撮影。あとは本番を待つのみ。^_^
現場設置後の動画
日程が決まり、いよいよお客様宅へ設置すべく、いざ北海道へ出陣!!
千歳空港からカーナビをセット。現地に到着すると、「おー、あるある。」社内でテストした実機が、そのまま軒下に装着されていました。
何も電話がなかったので、「スマホを使わない当たり前の操作ではうまく動作したのかな??」と思いつつ盤のフタを開ける。スマホ以外の動作はOKのようだ。
あとは電源など実機と繋いだら、LAN BridgeのIPアドレスとLOSの初期設定をして完了。
作業時間は1時間程度。心配していた「地熱センサー優先の運転」もバッチリ。良かった、良かった!!
急いで動画を撮影!!
操作画面
最後に
今回は、何もかもが“初めて”の連続!
ましてや、大阪出身の私にとっては、「ロードヒーティング」は未知の装置。
導入実現にあたって「弘前ハウジングさま」はじめ、関係者の皆様へ心から感謝いたします。