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【世界初】電池レスリモコンで「チョコ停」をTeamsで送信|コマツカミンズエンジン様

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公開日:2024/07/06

株式会社小松製作所のグループ企業『コマツカミンズエンジン株式会社 小山工場 (栃木県)』に、当社の電池レスリモコンを使った通知システムが採用されたのでご紹介致します。
(タイトルの「世界初」は当社調べ。2024年7月6日現在。)

システムの概要

製造ラインのオペレーターが「部品不良」「ベルトコンベアーの空転」などの異常を、担当者に簡単・迅速・正確に通達することを目的としたシステムです。

電池レスリモコンでTeramsを送信

各ラインに配置されるのは『電池レスリモコン(5ボタンタイプ)』。オペレーターがそのボタンを押下すると、ボタン事に決められた定型文が担当者のTeamsにメッセージとして配信されます。

【システムの概要】
電池レスリモコンの信号がLAN Bridgeを経由して本システムの「専用管理サーバー」に送信され、そこからTeamsメッセージが担当者に配信されます。

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【エクセルにログを残せる!】
しかもエクセルにもログとして残されて(図の右上)、かつ各ラインのステータスが一覧としてスマートフォンで分かるようにもなっております。(図の左上)

お問い合わせのきっかけ

ご連絡を頂いたのは、同社の安全管理担当者のS様。
たまたま当社の下記のインスタグラムが目に留まり「これはうちの会社でも使える!」と閃いたとのこと。

これまでの工場内の課題

工場内ではベルトコンベアーの空転、パーツの欠品、応援要請などのインシデントを担当者に迅速に伝える必要があります。
本システムが導入されるでは、その通達手段は「電話」および「非常停止ボタン」2種類のみでした。

非常停止しボタン

「連絡する敷居を低くしたい。」

S氏が行ったヒヤリングでは、ラインのオペレーターにとって電話をかけたり非常ボタンを押すことは、S氏が想像していたよりも敷居が高いことが分かりました。

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↑「異常報告の敷居を低くしたい。」そんな思いが以前からあったS氏

電池レスリモコンを押すだけで通知

本システムの一番中心となる装置、それは電池レスリモコン。
押すだけで、ボタンごとに予め割り当てられた定型文を送信します。
本件は5つのボタンタイプを採用。色ごとに5種類の定型文を送信することができます。

電池レスリモコンで工場の異常をTeamsで発信

【送信メッセージの例】
・1番にて欠品が発生!
・1番にてフォローお願いします!
・1番にてチョコが停が発生!
・1番にて不具合が発生しています。
・1番の問題が解決しました。

押すだけで定型文が送信されるので、電話や非常停止ボタンよりも躊躇することなく担当者に報告できます。その設定方法は簡単。CSV形式で設定できます。

電池レスリモコンとは?

リモコンの中には、電池の替わりにコイルが巻かれていて、押した時の力で発電して電波を発信する機構が搭載されています。
私たちの身近な所では、トイレのウォシュレットやファミレスの呼び出しボタンに使われています。

電池レスリモコンのコイル

【電池レスリモコンのメリット】
・電池切れがない。
・電池交換の手間がない。
・電池を処分する必要がない。
・液漏れの心配がない。

下の写真は本システムの心臓部。
電池レスリモコンから発信された電波を管理サーバーに転送します。

制御盤

コマツの厳しいIT要件をクリア

詳細を記すことはできませんが、コマツIT担当者と何度も打ち合わせを重ね、同社の厳しいIT環境の要件をクリア致しました。

電池レスリモコンを押すと

1. Teamsで送信

タイトルにあるとおり、電池レスリモコンを押すと担当者にTeamsでメッセージが送信されます。
↓写真はイメージ図。クリックすると別ウィンドウで動画が再生。

2. エクセルシートに打刻

Teamsに通知したメッセージをExcel(Sharepoint)にも記録を残すようにしました。
これによってどこでインシデントが発生したか、また対応したのは誰かをログとして記録されます。

3. マップデザインで表示

「各ラインのステータスを一覧表示できたらありがたい。」
このご要望に応えるべく、マップデザインで表示するようにしました。アプリはCommandFusion社のiViewer4を使用。担当者は工場内であればどこからでも各ラインのステータスを一目で確認することができます。

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↑今ではこの画面のことを、「アタック25」と、親しみやすい呼び名で呼び合っています。

まとめ

本システムは、コマツカミンズエンジン社様(小山工場)に以下のメリットをもたらしました。

①:インシデントをワンプッシュで担当者に通知。
②:担当者は「Teams 」「エクセル」「マップ画面」以上3つの手段で確認できる。
③:各インシデントはエクセルに履歴として打刻される。
④:Teamsの送信メッセージは、担当者がcsvで簡単にカスタマイズできる。

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オペレーターが担当者に報告する際の敷居が以前と比べて格段に低くなったこと。
また、工場内においての情報共有のレベルを引き上げることに貢献できました。

本導入事例の関連リンク