こんにちは。2022年の痛ましい事故を受けて、通園バスへの置き去り防止装置は義務化されました。
「これで安心。」しかし私は、事故直後からずっと「これではまた起きる」と言い続けてきました。
理由は一つ。国が認めた装置は、どちらも運用上「切ってしまうことができる。」「切らざるをえないシチュエーションがある」からです。今回は、なぜ切れる装置が意味を持たないのかを、技術的な角度から書きました。
センサー式の盲点 「切ったら、事故まで誰も気づかない」
これは誰でも想像がつくことです。センサー式は車内を常時監視する必要があるため、常時電気を使い続けます。
当然「夏休みの間にバッテリーが上がっては困る」と切るおそれがあるシチュエーションが出てくるのです。

ご存じのとおりセンサーは切っては意味がありません。しかも切ったあと入れるという作業が発生します。
降車式の盲点 「切らざるをえないシーンがある」
降車式は、エンジンを切ると車内で警報が鳴り、運転手が最後部のボタンを押すまで止まらない方式です。
運転手を強制的に車内後方まで歩かせる。 これは理にかなっています。

しかし運転手では
・「明日車検に出すから、そこで爆音が出たら大変。切っておこう」
・「夏休み前だから切っておこう」
・「夜は切って、朝に入れよう」。
さてどうでしょうか?切ったあとずっとオンに戻したことを確約できる人はいるのでしょうか?そうです。誰もいないのです。
共通点は「切ったことは誰も気づかない」
日常的に入り切りできてしまう安全装置は、「今日は絶対に泥棒は来ないからONにしよう。」と思って、自分の意志で入/切する防犯装置と同じ、というのが筆者の思想です

「いや違う、私の会社、朝の最初の出社したら警備を解除、そして最終退出者が警備をオンにしている。」と思った人もいるでしょう。しかしそれは違います。
この行為は人の「出社」~「退社」が人の行動の動線になっています。
通園バスは運転手の朝の出社と退社と連動はできません。
「電波発信式」であるべき!これが筆者の思想
私がたどり着いたのは、この「電波発信式」です。
エンジンを切ると電波が職員室に発信。バス最後部の「後方確認ボタン」を押すと同じく職員室に電波が発信されるものです。
①:エンジンを切ると職員室へ「第1の電波」が発信
まず大前提で職員室は電気が潤沢です。限られた電気しかない車載バッテリーと違います。
第1の電波を受けた職員室では、回転灯を点けたり、到着時のログが記録されたり、保護者にLINEやメールで到着が通知。
これは技術的に可能、いや非常に容易に実現できます。
②:後方確認ボタンで、第2の「確認した」の電波を発信
バス最後部に置かれた後方確認ボタンを押す。これも職員室に発信します。
前述のとおり、職員室は電気も潤沢、インターネットもあります。
確認したことで、前述の回転灯を消したり、ログを残したり、保護者にLINEやメールで通知ができます。
車内は技術的に完全に電池レスにできる
前述にあった「切る」という理由を再度おさらいしましょう。それはバッテリー上がりの懸念です。
しかしこれは技術的に簡単に解消可能です。
第1の電波を発信する装置は、バスが園に戻ったことを通知する1回の発信で十分。つまりシガーソケットから充電して10秒ほどで満タンになるコンデンサー式で足ります。バッテリー式まして電池式にする必要はありません。

さらに各後方確認ボタンを電池レス式(押した力で発電するタイプ)を選定することで、バッテリー上がりの心配は事実上なくなります。

「園外でもどこでも動作すべき」に対して
ガソリンスタンドであろうと停留場であろうと、鳴動すべき、動作すべき!という思想も当然でます。
しかしそれを求めると「バッテリーが上がったら大変。だから切らないと」という発想が生まれるから、これには反対なのが筆者の思想です。

ですので筆者が考えた「電波発信式」の唯一の欠点は遠足などの課外行事では使えないという点であるのは認めます。
現ガイドラインでは記録を改ざんできてしまう
今の置き去り防止システムについて。
今日の送迎後、その装置がちゃんと正しく動作していて、置き去りは無かったと確証できる人はいますか?
故障しているかもしれませんよ。故障しているのでは?と思ってもその確認する術はありますか?
答えはNoです。
電波発信式だとIT技術で記録が残せる
何度も言いますが、この電波発信式は、「エンジンを切ったら電波を発信」「後方確認ボタンを押しても発信」します。職員室の電気は潤沢でインターネットもあります。
その信号を使って
・LINEを送信
・メールを送信
・スプレッドシートに打刻
あらゆる手段で記録することができます。
保護者に周知することは簡単
電波発信式だと前述のとおり、LINEを送信したりメールを送信することは簡単。
通知を待っている保護者が少しでも「あれ?〇〇が届かない」と不審に思えば園に連絡することができます。
それが結果的に故障でもいいのです。

これに対してよくある反論にお答えします
「LINEやメールは見落としがある。オオカミ少年で意味がない。」
必ずこう言われます。しかし私は、電波式であれば全員が必ず気づくとは言っていません。
受動的に気づかせるには、バスが園に到着すると、保護者がどこにいても届くほどの爆音を出す装置になります。
これは現実的ではりません。
何度も何度もいいますが、現ガイドラインでは、今日無事なのか知りたいと思った保護者でも、知るすべがないのです。
一方、電波発信式は、知る手段が用意されています。
ある・ないの差は歴然、というのが筆者の思想です。
まとめ-電波式もガイドラインに加えるべき
この電波発信式は「園外で使えない」という理由で、国の基準には適合していません。
しかし「どこでも動作させるべき。」この縛りを実現すると、前述のとおり「車検に出すから切っておこう」が、また生まれます。
静岡で女の子が亡くなった事故は、遠足ではなく普段の通園中でした。
国土交通省の方には、いま一度見直していただきたいと思います。
