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iPadアプリで体育館のフル2線式照明を操作|導入事例ブログ

札幌某私立高校|iPadでフル2線照明を制御
公開日:2023/04/29

東海大学付属札幌高校様の体育館照明のIoT化。このプロジェクトにおいて、当社のANY LIGHTS(エニーライツ)が採用されましたので、事例としてご紹介いたします。

ANY LIGHTSって何?

  • 「フル2線式リモコン照明」と「CommandFusion」を組み合わせたIoT照明システム。
  • 既存のフル2線式リモコンに「後付け」で簡単に導入できる。
  • スマホを使った遠隔操作において、既存のIT環境を変える必要が無い。

・エニーライツ専用サイト(別ウィンドウで開く)

「体育館のフル2線式リモコンをiPadで操作したい」

2022年3月、当社のお問い合わせフォームから1通のメールが・・・。

札幌市内の建設会社です。市内の某高校の体育館において、既存の照明がフル2線式リモコンに入れ替わります。それにあたって、職員室からiPadでも照明を操作できるようにしたいのですが、可能でしょうか?

とのこと・・・。

「フル2線式リモコン」って何?

「フル2線式リモコン」とはこういうスイッチのこと。皆さんどこかで見たことあると思います。
住宅よりも、図書館、病院、トレーニングジム、工場といった業務施設で使われています。

「行った方が早い!!」

「既存のフル2線リモコンをiPadで操作したい?まさにANY LIGHTSのことではないか!!」興奮を抑えつつ返信。
「メールよりも行った方が早い!」ということで、翌週現地に訪問。

札幌到着

1度目の訪問 (現地下見)

当社代理店の弘前ハウジングの藤田社長と訪問。

(撮影は許可済)

学校側のご要望

  1. 「照明ランプは既にLEDに交換済。それに伴いスイッチもフル2線に交換を終えました。」
  2. フル2線に関連しているリモコンリレーやスイッチ類はそのまま活用したい。
  3. 「400メートル離れた職員室からiPadで制御したい。」

フムフム。聞けば聞くほどまさにANY LIGHTSの仕様ではないか。
400メートルの無線LANがきちんと飛んでんくれさえすれば、あとはハードルらしいものは特に無い。

体育館内を視察

では体育館の中にお邪魔します。LEDが煌々と輝き、僕たちを迎えてくれました。

↓体育館の写真がこちら

体育館内LED

↓スイッチの写真
新品のフル2線に交換済!!

フル2線スイッチ

↓フル2線の盤の中
リモコンリレーも交換済!!つまりこの時点で当社にとっては、「既存のフル2線」になるのです。

フル2線盤の写真

現地の電気工事会社様にお願いしたこと

「面倒な工事を行う羽目になるのでは?」電気工事業者さん一同不安な顔つき・・・。

困っている作業員

心配ご無用。ちょっとした追加工事で導入るのがANY LIGHTSのいい所。
以下の2点だけお願い致します!

要望1. 「WRT3224K(接点入力T/U)」を増設して下さい

(WRT3224K)

WRT3224K(接点入力T/U)って何?

「WRT3224K(接点入力T/U)」は、リレー接点(※)を受けて、リモコンリレーに対して「ON/OFF」の制御信号を送るパナソニックのフル2線用・純正オプション品です。
(T/Uはターミナルユニットの略)

要望2. MY2を「照明とパラ」で接続して下さい

MY2は “状態” をiPadで確認するためのもの

職員室からiPadで操作した際、「ついた?」「消えた?」のどっちに切り替わったか分からないと導入する意味がありません。

ON/OFFどっち?

この問題は、オムロンの「MY2(エム・ワイ・ツー)」と呼ばれるリレーを使うことで、簡単に解決することができます。
MY2はリレーの中でも定番の商品。様々なラインナップがありますが、今回はLED照明がAC200V。それとパラで接続するので「AC200Vタイプ」を指定しました。

リレー
(MY2)

「パラ」とは?

  • 業界用語です。分かる人には分かる言葉です。
  • パラレル(並列)の略語。
  • 「パラで接続する。」「パラでちょうだい。」「パラで送って。」という使い方をします。

以上2点をお願いして帰路に就きました。

2度目の訪問 (設置・調整作業)

あれから3か月後「下準備が完了しましたよ。」とのご一報が。心配していた400Mの無線LANも問題ないとのこと。ということで札幌に再出発!
現地に到着して目に止まったのは、前回は無かった2つの盤。

写真の3つの盤の内訳

  1. フル2線用の既存の盤
  2. (ANY LIGHTS導入にともなう追加工事)WRT3224KとMY2の盤
  3. コマンドフュージョン用の盤

②の盤の中を覗くと・・・

ジャーン!!!下の写真は到着してすぐに撮影したもの。黄色のケーブルは現地の電気工事業者さんが行ったもの。
写真左の「WRT3224の2次側(右側)」及び写真右の「MY2の1次側(左側)」も指示通りでした。ありがとうございます!!

そしてブランクになっている「WRT3224Kの1次側(左側)」及び「MY2の2次側(右側)」の結線を当社が行いました。

コマンドフュージョンの取り付け

まずは「コマンドフュージョン」を取り付け。

制御盤にコマンドフュージョンを取り付け

②と③の間を結線

  • 「DIN-RY8-NのOUT(=リレー)」と「WRT3224K(接点入力T/U)のIN」を接続
    →照明制御用 (写真の黄色のケーブル)
  • 「DIN-RY8-NのIN(=接点感知)」と「MY2のOUT」を接続。
    →ON/OFFの “状態確認” 用 (写真の細いケーブル)

完成!!

個別での「入/切」そして「一斉操作」もバッチリ!!
ANY LIGHTSは、白熱灯・水銀灯・LED・ハロゲンなど、種類を問わず全ての照明をiPhone/iPadで制御できて、かつON/OFFを確認しながら操作できる革命的なIoT照明システムであることを改めて証明してくれました。

「全照明ON」を押したとき、28回路の照明が順に点灯する姿はまさに圧巻!

まとめ

打合せから引き渡しまで、本当にスムーズに遂行することができました。
本件に関わって頂いた全ての皆様に感謝致します!

また本文には割愛しておりますが、本件はiPadでヒーターも制御できるようになっております。
(後日別のブログで紹介予定)