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スマートホームの照明操作|「スマホ」と「フルカラー」が両立できない理由

スマートホームの照明操作|「スマホ」と「フルカラー」が両立できない理由
公開日:2019/01/15

当社では「スマートフォン」と「照明の壁スイッチ」の操作を両立させる場合において、壁スイッチにはこのブログの最後にある「ワンショットスイッチ」または「フル2線」を使用するのを推奨しています。
なぜ片切タイプではダメなのでしょうか?その理由を対話形式のブログで紹介したいと思います。

「スマートフォン」と「壁スイッチ」のどちらからも照明を操作したい場合、
うちの会社では、瞬時A接点のスイッチを推奨しているのと聞いたけど。
詳しく知りたいわ。

瞬時A接点のボタン(コスモの場合は片切でも見た目は同じ)

そう。以前のブログでも紹介したよね。

どうしてフルカラーやJIMBOはダメなの?
「パチン!」と切り替わって、ON/OFFが分かるのに。

↑フルカラー

まゆみさんだけでなく、そういう質問は多いよ。
できない訳ではないんだけど・・・。やっぱり「できない。」って言った方が正確かな。。。

歯切れが悪いわ。どういうことなの?

「フルカラースイッチと併用したい」=矛盾

まゆみさんだけでなく、多くの方が「スマートフォン」と「普通の壁スイッチ」の両方を使って、どちらからも普通の照明器具を入切したいと考えています。
しかしこの要望は、スマートフォンを使って壁スイッチを「パチン!」と機械式に操作しない限り不可能なのです。突き詰めると「スイッチは1つであるべき」という点にたどり着きます。

ちなみに下の写真の「ボットスイッチ」は、まさにこの機構にあたります。
しかし「ON/OFF状態が分からない。」「両面テープや乾電池を使う。」などの理由でので、当社としては勧めておりません。
アマチュアが趣味で行うもの、というカテゴリーに位置付けとしております。

結論:魔法以外あり得ないのです

「できません。」これが株式会社グリーンワークスからの正式な回答です。

ちょっと・・。真剣に答えてよ。

いや。ふざけてないよ。
そもそも、まゆみさんのやりたい事が矛盾しているよ。

私のやりたいことが矛盾?
どういうこと?

「壁スイッチ」+「スマホでリレー制御」の両立は可能?

スマートフォンを使って、普通の照明を操作するには、スマートフォンから「スイッチに相当するもの」を開閉させなければなりません。
具体的には以下の2つの方法があります。

スマホでスイッチを入/切させる方法

  1. スマートスイッチ(俗にいう”スマホ対応のスイッチ”)を採用する
  2. パワーリレーをスイッチとして採用して、そのパワーリレーをスマホで開閉する

それでは詳しく解説します。

スマートスイッチを使う

気軽に導入ができるので、多くのハウスメーカーや工務店はこの方法を採用しています。

しかしあまり知られていませんが、スイッチを切っても器具側にわずかな電流が流れるため、OFFにしても薄っすら照明がついていたり、ちらつきを起こす、というデメリットがあります。 そのため、使える照明器具が限られているのです。 しかもこの方法は「フルカラースイッチと併用する」という、本題と外れてしまいます。

パワーリレーをスマートフォンで操作する

グリーンワークスが2021年2月ごろまで推奨していた方法です。
この方法だと電気を『機械式』に制御できるため、全ての照明器具で使えるほか、電気を『機械式』に遮断するため、漏れ電流はありません。
更にコマンドフュージョンなどのオートメーションコントローラーを使うので、1つのボタンで照明だけでなく、電動カーテン、空調など他の機器も同時に操作できるのが特徴です。

しかし上の図の場合、パワーリレーと普通の壁スイッチを接続しなければなりません。どうすればいいでしょう?

「直列だとつかない!」「並列だと切れない!」

それではこのパワーリレーとフルカラースイッチとを、どのように接続するのか考えてみましょう。答えは次の3種類のみです。

「パワーリレー」x「フルカラースイッチ」を組み合わせる方法

    以下の3つしかありません
  1. 直列に接続
  2. 並列に接続
  3. 3路スイッチにして接続

③において、今回の質問は「片切」というのが前提なので、ここでは割愛します。
①直列、②並列にはどうでしょうか?下記をよーく見れば分かるのですが、いずれも致命的なデメリットがあるのが分かります。

以上です。
3路でも使わない限り、スイッチは1つが原則なんだよ。
だからスマホとフルカラーの共存はありえへん、って分かってくれた?

なんとなく分かったわ!
でも他にきっと方法がありそうだけど・・・。
さっき「できない訳ではない。」って言ったでしょ!

どうしても・・・。って言うのなら、唯一の方法を紹介するよ。
フルカラーは100Vを入切させるために使うのではなく、
コマンドフュージョンのIOポートに対して無電圧の接点を送ったら可能になるよ。

IOポートって接点を感知するための端子のことね?
それをどう使うの?

ど~しても「フルカラー」を使いたい場合

前述にあるとおり「スイッチは必ず1つ」が絶対条件です。ではフルカラーは一体どこに接続すればいいのでしょうか?
フルカラーは電源の100Vの入/切に使うのではなく、コマンドフュージョンのIOポート(無電圧接点を感知する端子)に接続すれば可能です。

フルカラー制御

なるほど。フルカラーは100Vの入/切に使うのではなく、接点を感知するのにつかうのね。
分かったわ!!
1. スマホには、「ボタンを押したら、リレーの開閉を反転。」とプログラミング
2.IOポートには、「接点を感知したら、リレーの開閉を反転。」と設定。

半分正解!!
でもよーく想像してごらん。
もしフルカラーを1度閉じたら、次にどうやってフルカラーから接点を送るの?
まさか1度OFFにしてまたONにするの?それって非現実的と思わない?

本当だ!!それも変な使い方だわ!

教えるね。さっき言った1,2に加えて、
3. IOポートに対して、「接点を感知しなくなったら、リレーを逆になるように。」
と設定を追加したら解決だよ。

なるほど!!これで、
1.スマホ上のボタンを押すと、ON/OFF反転
2.フルカラーが閉じても、ON/OFF反転
3.フルカラーが開いても、ON/OFF反転
どれを操作しても、ON/OFFが反転するわ。
一件落着!!でもなんで冒頭に歯切れが悪かったの??

1つ致命的な欠点があることに気づかない??
フルカラーが下の写真の状態で、照明が今OFFだとするよ。
この先ちょっと頭で想像してみて。

フルカラーをONに倒したら、リレーが閉じるから照明はONになる。問題ないわ。
次にスマホ側で操作したら照明はOFFになる。これも問題ないわ・・・。
待って!この時スイッチの向きと実際のON/OFFの状態に矛盾が生じるわ!!

そう。それが致命的な欠点

確かに・・・。それは使いにくいわ。
だったらJIMBOのNKシリーズのようにONの印が無いものにすれば?

もしダブルになると、両方OFFなのに上と下であべこべになることもありえるよ。
だからお勧めしないんだ。

なるほど!!
だからフルカラーやJIMBOも技術的には使えなくはないけど2個口以上はお勧めしないのね!
2個口以上なら、パナソニックのコスモのような「押したら戻ってくるタイプ」にすれば、
見た目がON/OFF同じなので矛盾はしないわ!

だからグリーンワークスは次の動画の「ワンショットスイッチ」または「フル2線式」を推奨してるんだよ。

納得したわ!!

グリーンワークスの推奨

当社では、下記の動画の「ワンショットスイッチ」または「フル2線」を使用する方法を推奨しています。
お気づきかと思いますが、フルカラーを使うと、「構造があまりに複雑になる。」ということと「スイッチでON/OFF状態を確認できない。」という欠点があります。
更に「コマンドフュージョンが壊れた場合、フルカラースイッチも照明がつかない。」という致命的な欠点があります。
(スイッチを1つにしている以上仕方ありません。)
下記の動画の方法は、全ての要素を克服しています。もちろん外からの操作も可能です!

訂正)神保電器社の「瞬時A接点のスイッチ」はあります

神保電器社に問い合わせた所、「瞬時A接点用スイッチ」が存在しておりました。住設開発部のみでの扱いとなります。