スマートホームを導入するにあたって、「スマホで照明を制御したい。」という場合、実は多くの選択肢があります。その中でも、大和ハウス工業の照明システムが実質最強である、と断言していいでしょう。
本ブログにてなるべく分かりやすく解説いたします。
大和ハウス工業の照明回路を詳しく解説
特許情報プラットフォームからのぞき見してみましょう
興味ある方は、特許情報プラットフォームのウェブサイト(旧特許電子図書館)から詳細をダウンロードできます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
↓大和ハウス工業 スイッチ制御システム」で検索すると1件ヒットします。(クリックで拡大)
これがその回路図です
それではじっくり解説します
各部の解説
以下のように見事にコマンドフュージョン製品に置き換えることができます。
(↓一通り読み終えてから、後でじっくり照らし合わせて下さい。)
[themify_box color=”white”]
90・・・iPhone/iPad
80・・・ルーター
70・・・LAN Bridge
60・・・CF Mini
61・・・CF Miniの内蔵リレー
62・・・CF MiniのIOポート(接点感知)
回路右上のリレー・・・オムロンMY2の定番リレー
回路左上のリレー・・・普通の3路スイッチ
50・・・照明のON/OFF状態をCF Miniに伝えるリレー
[/themify_box]
「3路スイッチ」と「リレー」を3路の関係にするのがポイント!
ポイントは壁スイッチを3路スイッチにして、それに対する3路スイッチをスイッチではなく、「パワーリレー」にするという点です。
- 指で操作➔3路スイッチを「Hi」or「Low」に切り替え
- スマホからの操作➔パワーリレーを「Hi」or「Low」に切り替え
これによって、「壁スイッチ」と「スマホ」両方から操作できる、という仕組みです。
↓リレーはオムロンのMY2を使います。
動画で解説|「壁スイッチ」と「スマホ」それぞれで操作してみましょう!
よーく見ると、「壁スイッチ」「スマホ」どちらを操作しても、ON/OFFが交互に切り替わるのが分かります。
↓「壁スイッチ」で操作をした時のフロー。
↓「スマホ」でのフロー
ON/OFF状態を感知するためのパワーリレーが別途必要
このシステムは、3路のスイッチを使用するため、パワーリレーが「Hi」だからといって必ずしも照明がONとは限りません。照明のON/OFFは「相手の3路」がどちらに倒れているかによって決まります。
その為、ON/OFF状態を感知するための別のリレーを必要とします。
- 一次側・・・「照明」と並列に接続。
- 二次側・・・「リレー制御装置」の接点感知部分に接続。
この特許のメリット
特許を取得するには、「社会的に役に立つもの」というのが1つの条件になります。この電気回路はそれを満たしています。
1.あらゆるコントローラーが壊れても制御不能にならない
万が一「リレー制御装置」が壊れたとしても、スマホでの操作はできないだけで、「壁スイッチ」での操作を可能にしています。
リレーが溶着しても乗り切れる
リレーが仮に溶着して操作不能になったとしても、3路スイッチでいう「もう一方のスイッチが常時固定された」のと同じなので、普通の片切スイッチのようにON/OFFは可能です。
2. 請求項に記載されていないスゴイ点
特許には請求項というのがありまして、「これができるってことは、それに付随するものも俺の特許!」といった形で特許の範囲を請求することができます。
この方法は物理スイッチをホタルにすることができるのもメリットです。
この照明システムのデメリット
実機を組めばすぐに分かるので、あえてデメリットも書かせて頂きました。
1. 配線工事がやや複雑になる
このシステムは、配線工事を複雑にさせる要因が2つあります。
- 配線が全て3路。しかも相手が盤なのでちょっと遠い。
- 1系統あたり、パワーリレーが2個も必要。
ちゃんと理解している電気工事業者さんにお願いしましょう。
ただ、「リレー制御装置が故障しても操作不能にならない!!」というメリットを生かす機会もあります。
工事を進めていく過程で、配線を切り替えることがあっても、「工事を中断しなくてもいい。」というメリットがあります。
2. 操作するたびに3個のリレーがカチンカチンうるさい
音がうるさい理由
実機を組めば、以下の理由に音がうるさくなることに気づくはずです。
[themify_box color=”yellow”]
- 壁スイッチで操作する度に⇒毎度50番のリレーが音を出します。
- スマホで操作する度に⇒上の50番に加え、スマホで動くリレーの2個のリレーが音を出します。
[/themify_box]
残念なことに、どちらのリレーも音の静かなコンデンサーがリレーが使えないのです。
ご理解頂けましたでしょうか?照明は実に深いですね。