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【工事解説】既存のフル2線をスマホで操作する方法|ANY LIGHTS(エニーライツ)

公開日:2024/01/06

結論から先に書きます。
既存のフル2線をスマホで操作するには、下記のフルスマーターWRT3224K(接点入力T/U)をうまく活用することで簡単に導入できます。

フルスマーターとWRT3224K

なお当社では、フル2線照明をiPhone/iPadを使って操作可能にする照明システムを、ANY LIGHTS(商標登録)と称しています。

ANY LIGHTSを動画で紹介

下記はANY LIGHTSを分かりやすくした動画です。短い動画ですのでまずはご覧ください。

ANY LIGHTSの凄い点。それは、既存の「スイッチ」「照明器具」「リモコンリレーなどの周辺機器」など、全て継承できるという点です。配線もそのままです!
今あるものを廃棄しなければならない、という無駄は一切ありません。

フル2線をスマート化する工事手順

  1. 既存の照明器具にオムロンMY2(定格AC100V)を並列で接続する。
  2. WRT3224K(接点入力T/U)を同機の説明書通りに接続する。
  3. フルスマーターの出力端子をWRT3224K(接点入力T/U)の入力端子に接続する。
  4. フルスマーターの入力端子を①のMY2を二次側に接続する。

冒頭では「簡単に」と言いました。簡単です。フル2線の新規導入は実に面倒です。
それに比べたら「スマホでの操作」の追加は1/10程度の手間で済みます。
詳しく解説します。

配線図

皆さんが一番知りたい配線図を出しました。「パナソニックのカタログでは?」と思った人は正しいです。はい、意外と工事は普通なのです。
下記の図の③が後述のフルスマーターの出力にあたります。

WRT3224K配線図

では1つずつ解説しましょう。

カギはWRT3224K(接点入力T/U)

このシステムで最も重要になる装置は「②WRT3224K(接点入力T/U)」です。
これはフル2線に精通している人でも、あまり聞きなれないマニアックな装置です。
ですがこれがれっきとしたパナソニックの純正品なんです。これをうまく使います。

WRT3224K

WRT3224K(接点入力T/U)って何?

WRT3224Kの説明の前に、まずは壁スイッチの説明をします。
壁スイッチの場合は、人が指でボタンを押すことで、アドレス設定によって割り振られたリモコンリレーが開閉します。

フル2線壁スイッチ


一方WRT3224K(接点入力T/U)は、「タイマーリレー」「センサーリレー」などからの無電圧常時A接点を受けることで壁スイッチと同じく、アドレス設定によって割り振られたリモコンリレーを開閉します。フルスマーターはこの無電圧常時A接点を出力できます。
これによってフルスマーターを使って、リモコンリレーを開閉することができる、というわけです。
ここまでよろしいでしょうか?

WRT3224K概要


下の図は最終的なゴールです。
「壁スイッチ」と「フルスマーター」から操作できるようになっているのが分かります。

フル2線壁スイッチとWRT3224Kの関係

このシステムのメリットとは、既存の機材の機能を全て継承できる点です。
既存の配線は1本たりともぶった切る必要はありません。

主な機器と配線

配線について導入事例を交えながら、更に掘り下げて解説します。

下の写真は実際に施工したものです。
職員室のiPadを使って、体育館の既存のフル2線照明(x28回路)の制御を可能にした当社の好例です。
盤の左側には上の配線図の②のWRT3224Kが、そして右側にはオムロンのMY2パワーリレーが28個あるのが分かります。
それぞれ黄色のケーブルが接続されています。

WRT3224K工事

黄色のケーブルの行先を説明します。

①オムロンのMY2:
左側(水色内)がリレーの一次側です。黄色のケーブルは照明と並列に接続されています。
つまり照明がオンになるとリレーがカチン!と音を立てて二次側が閉じるのです。

MY2リレーはいろいろなタイプがあります。本件のLED照明はAC200VでしたのでMY2は「MY2-AC220」を採用されています。

②:WRT3224K:
右側が出力信号(赤色)で、WR3400に接続されています。アドレス設定についてはグルーピングなどは行わず、壁スイッチと同じく1対1に設定されています。

ここまでの工事は、フル2線を導入した現地の電気工事業者さんに行ってもらいました。実際に施工した業者に行ってもらうのが間違いないからです。

グレーと黒のケーブルは弱電ケーブル(制御線)です。0.3mmでしたら何でもいいです。

フルスマーターと接続

続いて①②それぞれ非接続部分について説明します。いずれもフルスマーターと接続します。

↓作業中の写真です。
この当時はフルスマーターが発売前でしたので、別のコントローラーを使っていました。
機能は同じのため、このブログでは便宜上「フルスマーター」と表現します。

フル2線をスマート化配線工事

フルスマーターのリレーを一斉に開放したときのテストです

LOSでスマートフォンで操作

フルスマーターは設計上LANには接続できません。
LOS ゲートウェイ(グリーンワークス製)を介すことでLANに接続が可能になります。
更には遠隔地(ルーターの外)からの操作を可能にします。

ANY LIGHTSのすごいところ

ANY LIGHTSの優れている点、それは既存のフル2線の機能を全て継承できる点です。
つまり後付けの装置の「フルスマーター」「MY2」「LOSゲートウェイ」これらのどれか1つでも壊れた場合、スマートフォンでの操作ができなくなりますが、壁スイッチを使った普段使いにおいての影響は一切ありません。冗長化できている点が、ANY LIGHTSの強みでもあるのです。

まとめ

例えば既存のフル2線(32回路)をスマートフォンで操作する場合、以下の機材が必要になります。

フル2線(32回路)に必要機材

  1. WRT3224(接点入力T/U)…x8個
  2. オムロンMY2(AC100V)….x32個
  3. LOSゲートウェイ…x1個
  4. フルスマーター…x2個

既存のフル2線の「照明」「機材」「配線」「周辺機器」を継承したままiPhone/iPadで制御できる、それがエニーライツの凄い所です!!

・ANY LIGHTS専用サイト (別ウィンドウで開く)

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グリーンワークスでは、ANY LIGHTS導入にあたって、全国にビジネスパートナーを募集しております。

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・フル2線の工事を自社でできる体制がある。(工具、測定器など)
・弱電の知識がある方が望ましい(無電圧接点とは何か分かる)
・本ブログの内容を概ね理解できる
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