2023年の日本大学危機管理学部の学園祭「三茶祭」に出展した際「電池レスリモコンで動かすプラレール」が子供たちだけでなく大人の方にも大人気でした。
その仕組みについて詳しく紹介したいと思います。
↓↓このショート動画がそれです。
電池レスリモコンとは?
押した力で発電して電波を発信するリモコンです。電池が無い代わりにコイルが巻かれていて、押した時の瞬発力でバネを弾いて電気を発生させて、その時の電荷を使って電波を発信します。
本システムにおいては、エコー総合企画社(石川県)のものを使用しました。
(クリックで同社のホームページに飛びます)
プラレールは「E5系はやぶさコントロールセット」を使用
一方プラレール、リモコンで動くタイプを使用しています。
↓タカラトミー 『 プラレール 乗車確認! まるごと鉄道体験! E5系 はやぶさコントロールセット』
上の写真の通り、コントローラーから電波を発信して、プラレールがその電波を受けて発進します。
その電波は「IR電波」という種類の電波です。テレビなどで使われている赤外線リモコンの電波です。
電池レスリモコンからIR電波を発信していません>_<
ここまでを聞くと最初の動画は、下記のような仕組みと誰もが想像してしまいます。
実はちょっと違うのです。^_^
(クリックで拡大)
実は金かかっています・・・。
ここから本題になります。電池レスリモコンから発信される電波は、前述のIRではなく、自動車のスマートキーや電動シャッターなどに使われる「RF電波」を出力します。
RFはRadio Frequencyの略。IR電波と違って障害物があっても届く電波を使用しています。
さきほどの自動車のスマートキーは、ポケットやカバンに入れても届くのはRF電波だからです。
もうお気づきですよね。実は電池レスリモコンからのRF電波を『何等かの装置』が受けて、IR電波を出力しているのです。
↓↓その装置が「CF Solo(CommandFusion社)」なのです。
(クリックで拡大)
押している間、ずっと電波が出てるのですか?
これよく来場のお父様方に尋ねられました。
実はこのプラレール、発進の電波を一度でも感知すると、ずっと走り続けます。
ではどうやって停止するかと言うと、「停止」の信号を感知すると停止するのです。
つまり純正のコントローラーから発光されているIR電波は、下の図のように「発進」と「停止」が分かれているのです。この特性をうまく利用しました。
一方エコー総合企画社の電池レスリモコンは、押した時/離した時、それぞれ別の電波を発信します。
ですので
・「押したら→発信のIR信号を出力→プラレールが発車」
・「離したら→停止のIR信号を出力→プラレールが停止」
と設定。これによって、押している間だけプラレールが走るというギミックを作ることに成功しました。
子供は簡単に楽しめる訳です。^_^
↓下記の動画は、上を押すと「発進のIR信号」、下を押すと「停止のIR信号」が出力。
大人から子供まで楽しめて光栄でした。
本システムのメリット
このギミック、商品化が実現すれば面白いかも知れません。
メリット1.子供が飽きない
プラレールって、数周すると見ているだけなので意外と飽きてしまうんですよね。
このシステムは実際に操作するという点が、子供が楽しめる要素でもあります。
メリット2. 列車の電池交換の頻度が減る
このシステムは、押している間しか列車は動かないため、圧倒的に省エネ。
「おもちゃ箱のプラレールが突然動き出した!」って経験をしたことある人も少なくないと思います。そういったこともありません。
メリット3. うるさく無い
プラレールって意外とうるさいんですよね。^_^
ガーガーと音が鳴っていて、振り返っていたら子供は他の遊びをしていた!ってこともありません。
まとめ
ただこのCF Solo、いろいろな機能が備わっていて実質業務機で値段もかなり高いです。
機能をもっと絞り込んで、これ専用機にすれば、安価にできるかも知れません。
玩具メーカー、電気制御のメーカーなどの技術者の方と共同で、このシステムを改良できれば幸いです。