「オートメーション」といっても、機器もその「操作方法」も実にさまざま!!
その中で、最も使い勝手に違いが現れるのは、”照明”です。とにかく照明はそのやり方が実に溢れているからです。
今回は導入のしやすさと、使い勝手について比較したいと思います。
②よく価格の違いを尋ねられるのですが、回路数など、同一条件で比較するのは困難な為、ここでは比較しないことにします。
方法1 – 「スマホや音声対応のランプを使う方法」
真っ先に思いつくのがこの方法。代表的なのはPhilipsのHue(ヒュー)
アイリスオーヤマからもスマホ対応の照明器具が出ていますが、ここではHueを中心に紹介します。
↓壁スイッチは専用のものになります。
メリット
- 電球を変えるだけ。工事が要らない。
- アプリはメーカー純正だから、設定が簡単!!
- 色も変えられるから友達に自慢できる!!
デメリット
- 当たりまえだが、照明ライトを自由に選べない。
- バルブのサイズが合わない場合は工事が必要
- 「1つのボタンで照明以外の機器も操作」といったように、他の家電との連携ができない。
- 電球自体にWiFiやBluetoothの機能を持たせているため、電球が高価。
- ランプが切れた(壊れた)時、そのランプが廃盤になっていたら、そこだけ歯抜けになる。
(又は同等品に一斉交換)
方法2 – 「スマホや音声対応の照明スイッチを使う方法」
ハウスメーカーや工務店での採用率が一番高いのがコレ。リンクモデル。
「スマホで照明を操作したい。」と相談すれば、間違いなく最初にこれを勧められます。
岩崎電気株式会社からもスマホに対応した照明スイッチが登場しています。
メリット
- 普通の照明スイッチと工事の手順が全く同じ。
- ハウスメーカーや工務店の間では圧倒的な知名度なので、導入がスムーズ。
- デザインがカッコいい
デメリット
- Hueと同じく、他の機器と連動させて操作することができない。
- メーカー指定のLED以外は使えない。
適応範囲内のアンペア数でも、必ずメーカー指定のランプを使って下さい。
微弱な電流によって電球が完全に消灯しないことがあります。 - リンクモデルは音声に対応していない。
- この手のスイッチは、PSEに非対応(簡単にいうと違法)の製品が多くある。
方法3. 「”リモコン受信機能を持ったスイッチ”と”学習リモコン”を組み合わせる方法」
↓「とったらリモコン」と呼ばれる、リモコンで操作できる照明スイッチを使います。(電気工事士資格要)
↓とったらリモコンは専用アプリがありません。そこで、アイリモコンやNature Remoといった、スマホをリモコン替わりにできる装置と併用します。
1.「とったらリモコン」のリモコン信号を、アイリモコンに学習します。
2. 1で学習した信号をアプリに配置。
3. スマホで操作すると、学習した信号がアイリモコンより発光。
メリット
- リンクモデルと同じく工事が簡単。
- カスタムアプリが自分で作られる。
- テレビなど、リモコンで操作できる家電であれば、1つのアプリで操作が可能。
- 1つのボタンで「テレビ」「電動カーテン」・・・を同時に操作することもできる。
- 外からも操作できる。
まさに『マニアにはたまらない組み合わせ』と言っていいでしょう。
デメリット
- 工事が簡単とはいえ、電気工事士の資格が必要。
- 「とったらリモコン」の特性上、1部屋3回路までしか使えない。
- 赤外線信号なので、太陽光やカーテンなどで信号が届かないこともある。
- 3A(300W)までしか使えない。(蛍光灯だとかなり厳しい)
- 「ON/OFF」が(トグル式)。「ONになれ!」「OFFになれ!」といった個別の命令が存在しない。
- スマホで、ON/OFFどっちに切り替わったか確認する方法が無い。
(照度センサーを使う方法もあるが、「絶対的な安心感」はではない。)

方法4 – 「コマンドフュージョンなどのホームオートメーション専用コントローラーのリレーを使う方法」
メリット
- コマンドフュージョン~照明まではガッチリ有線式なので安定している。
- 「回路数」「電圧値」「ワット数」に制限が無い。
- 壁スイッチはホームセンターで売られているものでOK。
- 壁スイッチに対する照明の割り当てを、入居後でも変えられる。
- 1つのアプリで「エアコン」「テレビ」「床暖房」「電動カーテン」など、他の機器も制御できる。
- 更にアプリ上の1つのボタンで、これらを同時に操作できる。
- ON/OFF状態の変化がアイコンで分かる。
- ON/OFF切り替わり時、LINEやメールでも受け取ることができる。
- コマンドフュージョンが様々なインターフェイスに対応しているため、新しい技術と互換性のある可能性が高い。
デメリット
- ハウスメーカーや工務店に相談した所で、分かる人はまずいない。
- 配線の関係上、新築/改装時以外は導入できない。
- アマチュアが趣味でできるレベルではない。
- コマンドフュージョンが故障すると、その照明操作が一切使えない。
(それを回避する唯一の方法は、大和ハウス工業社が特許取得済) - ホタルスイッチを導入することが不可能。
- 照明3,4系統だけでは、費用対効果が悪い。

オートメーション盤(新築しか不可能)
↓あとでコチラもご覧ください。

方法5 – 「ルートロンを採用する方法」
アメリカの調光器メーカー「ルートロン」も、スマホを使った操作が可能です。
以下当社でも扱うことの多い「QSシリーズ」の特徴を並べてみました。
メリット
- 調光ができる。
- ↓照度がスマホで分かる!!(下記はQSシリーズ3ゾーンタイプ)
デメリット
- インターフェイスの設置場所に困る。
(↓実際の導入図。黒い機器がインターフェイス。)
- QSの場合、コマンドフュージョンやクレストロンなどのホームオートメーション専用コントローラーが別途必要。
まとめ
下記のおもちゃを使った方法も含めてしまえば、まだまだあります!!!
言いたいことは、「コマンフュージョンを導入しましょう。」ということではありません。
場所によっては、Hueやルートロンを導入するのもありです。
最低でも「5年経っても使うか。」を本気で考えて導入を決めましょう。
またネット通販ではPSE非対応のものも堂々と売られています。気を付けましょう。
総評
- 「手っ取り早くやりたい!!」
➡Hueで決まり
- 「工務店出来るできるお任せしたい!」
➡Panasinic リンクモデルで決まり
- 「自分でチャレンジしたい。」
➡とったらリモコン+アイリモコン(又はNature Remo)
- 「とにかく確実にON/OFFさせることを優先したい!」
➡コマンドフュージョン
- 「調光したい。」「更に照度をスマホで確認したい。」
➡ルートロン + コマンドフュージョン 又はクレストロン
- 「調光したい。」「でも照度はスマホで確認できなくてもいい。」
➡リビングライコン + アイリモコン(又はNature Remo)